みなさんチーター好きですよね。
僕も大好きです。
チーターというよりチータスが好きなんですが、チーターも好きです。
チーターはご存知のとおり最速の哺乳類です。
では、そんなチーターに狙われたら人間は逃げ切れるのか?
じつはどんな鈍足でも簡単に逃げ切ることができるんです。
チーターってどんな生き物?
チーターはアフリカなどに生息するネコの仲間で、世界最速の動物なのはもう皆さんご存知ですよね。
最高速104km/hと動物とは思えないスピードをたたき出しました。
ドローンを使えば比較的簡単に測定できそうなものですが、あまり新しいデータがないのが残念です。
中東では比較的ポピュラーなペットで、犬とそう変わりない値段で取引された例もあります。
ただしワシントン条約によって国際取引に規制がある上に、日本では特定動物に指定されているので、飼育するハードルはキリンより高いです。
ちなみに泣き声はニャオ。
人食いチーターに狙われたらどう逃げる?
もしチーターがこっちに走ってきたら、はたして逃げ切ることはできるのでしょうか。
結論から言えば、逃げ切るれる可能性はあります。
いろいろと方法を考えてみましょう。
車で逃げる
人間は地球で最も卑怯な生き物で、道具を使わなければほとんどの動物に負けます。
人食いチーターを倒すのではなく逃げる方向で考えたとき、いちばんに思いつくのは乗り物に乗って逃げることでしょう。
実際サバンナのど真ん中に行くには車が一般的なので、チーターに襲われそうになったとき車で逃げるシチュエーションを考えてみましょう。
サバンナに行ったとき、そもそも車に乗りっぱなしということのほうが少ないかと思います。
トイレにも行きたくなるでしょうし、エコノミー症候群予防に定期的に体操したほうがいいです。
チーターは2秒で70km/hに到達するので、チーターが50m先にいたとしてもだいたい3秒で車に逃げ込まなければいけません。
ドアを開けて座って閉めるのに1秒弱として、だいたい2秒の猶予があります。
人間が走る平均のトップスピードは16km程度なので、10mぐらい車から離れていればイーブンになりますね。
しかし、実際にはチーターはじりじり近寄って、もっと近い位置から飛び出してくるので、車から10m離れて人食いチーターに見つかった時点で終わりです。
さらに言えば、仮に車に乗っている状態で出会ったとしても、一般的な自動車よりもチーターのほうが加速力があるので、窓を開けていたり屋根のない車だと危険です。
人食いチーターの生息する場所では車から降りず窓を開けて用を足したほうが安全そうですね。
走って逃げる
車に置いてかれた場合や、サバンナに行ったはいいがどこでもドアが壊れてしまった場合、走って逃げるしかありません。
その時点で諦めてしまいそうですが、じつは走って逃げることも可能です。
もちろん直線ではウサイン・ボルトでも勝てません。
が、チーターには大きな欠点があります。
自動車の免許を持っている方は制動距離を知っていますよね。
ブレーキを掛けて停止するまでに必要な距離です。
チーターも、突然止まって旋回するなんてことはできないんです。
しかも、チーターはあまりの代謝のよさに放熱が追いつかず、平均して170mほどしか走りません。
つまり、チーターに狙われたら170m以上シャトルランすれば逃げ切れる可能性があるんです。
シャトルランではありませんが、インパラやガゼルもチーターに追いかけられるとアメフト選手のようにフェイントをかけながら走ります。
これももちろんチーターがすぐ近くにいたら往復する前につかまってしまうので、チーターがトップスピードに乗るほど距離があって、170m集中力を切らさずタイミングを見計らってシャトルランできる身体能力がある場合に限られますが、チーターの狩りは割りとすぐあきらめるので逃げ切れる可能性はあるでしょう。
人食いチーターがトップスピードをだすまでもない至近距離に居たら、すぐに首根っこをかまれてごはんになります。
意外な対処法
そんな走れないし無理だから食べられるわというあなたもちょっと待ってください。
もっと楽な方法があります。
それは、その場に寝そべって動かないことです。
チーターは視力に優れていますが、はっきりモノを捉えるのはそこまで得意ではありません。
つまり動かないと相手の存在に気がつけず、隣をスルーすることすらありえるのです。
この方法は自然界でも使われていて、生まれたてのガゼルやインパラの子供はチーターの格好の餌ですが、チーターが接近するとビッタリ止まって動かずやり過ごすんです。
親もそれを信じて、近くに居て守ったりはせず、そそくさと遠くへ避難しつつ、地面を叩いたり鼻を鳴らしたりして自分へ注意を引かせます。
実際、それで生き残ることはとても多いんです。
私も最近まで知らなかったんですが、先日紹介したナショナルジオグラフィックの「ホスタイルプラネット 非情の惑星」でその姿が紹介されていました。

ただこれも簡単ではなく、よってくるアブやらハエやらの攻撃に耐えなければいけません。
とくにツェツェバエのノコギリ状の針で刺されたらとっても痛そうなので、私ならたぶん動いてしまいます。
人食いチーターなんて居ない
最後にひとつあやまらなければいけないことがあります。
根本的に、チーターは人間をほとんど襲いません。
チーターが人間を襲った例は数えるほどしかなく、基本的に自分よりも力の強そうな大きな相手は襲いません。
どんくさい人間なんか狙えばすぐ捕らえられるんですが、速く走るための軽量化で骨までスカスカなので、反撃されると簡単に骨折してしまうため、本能的に自分より大きな相手は襲わないんです。
これがペットとしてチーターを飼える最大の理由でもありますね。
少ないながらもチーターが人を襲った例はあるので、間違っても動物園のチーターに手を伸ばしたりしないように。
骨が弱いとはいえ動くものを捕らえるのは大得意なので自衛のために反撃されたら人間は敵いませんし、あごも強いので手ぐらいは簡単に食いちぎられます。
南アフリカの空軍基地で、滑走路から小動物を追い払う目的で放し飼いにされていた雄のチーター2頭が女性兵士を襲う事故があった。軍関係者が10日、明らかにした。
出典:空軍基地の放し飼いチーター、女性兵士を襲う 南アーAFPBB News
このため実際にチーターと出会ったら、チーターの獲物を奪おうと画策する周囲のハイエナやライオンに注意したほうが現実的なのです。
というわけで間の抜けた結論で申し訳ないのですが、チーターは獲物以外にはとても平和的な生き物なので、私のことは嫌いになってもチーターのことは嫌いにならないでくださいね。