9月24日は世界ゴリラの日!知っているようで知らないゴリラについてのおもしろ豆知識

9月24日は世界ゴリラの日!知っているようで知らないゴリラについてのおもしろ豆知識

古今東西365日さまざまな記念日があります。

先日紹介したとおり、日本には犬の日が2つあったり、銀行強盗の日なんていうのもあったりしてけっこう面白かったりします。

そして9月24日、私の大好きな動物の記念日があります。

それが『世界ゴリラの日』。

今回は世界ゴリラの日を記念して、ゴリラにまつわる誤解と面白い話を紹介していきます。

 

「世界ゴリラの日」は比較的新しい記念日

本日9月24日は、世界ゴリラの日。

ダイアン・フォッシー・国際ゴリラ財団が2017年に取り決めた比較的新しい記念日です。

ダイアン・フォッシー博士はゴリラの権威で、彼女が居なければゴリラは絶滅していたと言われているほどです。

研究結果もさながらゴリラの保護活動はなかなか過激で、その生涯もドラマチックです。

ナショナルジオグラフィックで特集が組まれていたり、たしか映画があったはずなので興味のある方はぜひ。

ちなみに2009年は国連が取り決めた「国際ゴリラ年」でした。

 

 

 

全員が「ゴリラゴリラゴリラ」ではない

ゴリラゴリラゴリラ 画像

漫画「銀魂」で紹介されたことで一躍有名になったゴリラの豆知識を知っている方も多いでしょう。

『ゴリラの学名は「ゴリラ・ゴリラ・ゴリラ」である。』

たしかに、ニシゴリラの亜種であるニシローランドゴリラの学名はGorilla. gorilla. gorilla(ゴリラゴリラゴリラ)です。

どんだけ濃度の高いゴリラなんだという感じですが、ニシゴリラは日本の動物園でよく見られるゴリラなのでゴリラらしいゴリラではあります。

しかしゴリラにも数種類居て、すべてがゴリラゴリラゴリラではありません。

たとえばキングコングのモデルと言われているマウンテンゴリラはGorilla beringei beringeiです。ゴリラだいぶ薄いですね。

ちなみにこの項目だけで「ゴリラ」と25回打ち込みました。ゴリラの研究家は簡単にゲシュタルト崩壊しそうですね。

 

ドラミングの音は「パカパカパカ」

ゴリラといえば、胸を打ちつけるドラミングが代表的でしょう。

勇ましさと凶暴さを表したまさにゴリラらしい行動ですが、じつはドラミングしているゴリラは比較的知的で温和な性格だと予想できます。

というのも、ドラミングは相手が近づいてきそうなときの警告音として行うことがほとんどなので、腹の内では「俺が居る場所だから近付いて喧嘩しないでくれ」と思っているアピールでもあるんです。

お互い平和な生き物だからこそ、警告音で平和を維持できるというわけですね。

むしろ本気でキレているゴリラは相手の動向を探るために動かざること山の如しで、襲い掛かるときにはその瞬発力で間合いをつめて一瞬で襲い掛かります。

 

ちょっと余談が長すぎましたが、その警告音でもあるドラミング。

人がマネをしてみると「ドコドコドコ」という鈍い音ですよね。

実際のゴリラのドラミングの音は違って、もっと高い音で「パカパカパカ」という音が出ます。

昔円山動物園に居たニシゴリラのゴンが一度だけドラミングを見せてくれて、そのときちょっと拍子抜けした思い出があります。

これはゴリラの喉から胸にかけて空洞があり、音が反響するので高く大きな音が出ると言われています。

 

 

気は優しくて力持ち?

ゴリラはキングコングの影響で、がさつで乱暴で凶暴な悪いイメージが付きまといます。

顔がちょっと怖いのもあるかもしれません。

実際力が強いのは事実で、ウエイトリフティングでは1トン持ち上げられるのではと言われています。

しかし実際には、その力を発揮するシーンはほとんどありません。

遠くまで響くドラミングのおかげで近隣住民ともいい距離を保てていますし、敵対していなければ子供が別の群れへ遊びにいく様子も観察されています。

人間が野生のゴリラに接近しても、人間側が対応を誤らなければ襲われることもなく、群れの仲間のように接する姿も見られます。

しかも害がない人間だと判断した人間の友人に対しても友好的に接することから、友好関係というものを理解する可能性もあります。

さらには、動物園で誤ってゴリラの檻に落ちた子供を、メスのゴリラが助け出して係員に手渡す姿も複数目撃されています。

こういう話を聞くと、もしかして人間よりよっぽど優しい生き物ではないかと思いますが、一方でなにかの拍子に別の群れのオスを殺したり、繁殖期に仲間のメスを殺したり、子殺しする姿も観察されているのでその実よくわからなくなってきます。

人間にも気に入らないやつを殺したり、恋人を殺したり、子供を殺したり、はてには誰でもいいから殺したり爆弾で街ごと吹き飛ばしたりするので、人間ごときがゴリラを否定していいのかは不明ですが・・・。

さておき、原則的に争いを避ける理由のひとつに知能が高いことが上げられます。

人間もそうですが、知能が高いと痛みに対する感受性があがります。

争うことで痛い思いをすると予想できることで、なるべく争わないようにしようと思えるわけですね。

意味も無く好戦的な人間を見たら、「ゴリラに劣る知能なんだな」と察して距離を取ったほうがいいかもしれません。

 

草食性が強いのになぜ筋肉モリモリ?

ゴリラ 草食 筋肉

屈強な筋肉を目指すトレーニーの方には、ゴリラのようになりたいと思う方もいるかもしれません。

人間が筋肉を付けるときには、プロテインサプリやたんぱく質の多い食品を強化するのが一般的です。

実はゴリラは草食性の強い雑食性の生き物で、たんぱく元は昆虫程度。

にもかかわらず、筋肉量は人間の比ではありません。

その秘密は腸内細菌にあります。

ゴリラに限らず、草食動物は腸内に植物からアミノ酸を生成できる仕組みをもっているので、口からタンパク源を摂取する必要がないんです。

これもし人間に応用できればすごい事ですが、一説によれば人間も多少は似たような構造を持っているそうです。

そんなの関係なく良い子の皆さんは肉も野菜もバランスよく食べましょう。

 

チンパンジーとゴリラ、どちらが知能が高い?

人間っぽいサル チンパンジー 画像

なにかと並び称されるチンパンジーとゴリラ。

黒っぽい類人猿というだけでぜんぜん違うので比較するだけナンセンスです。

が、やっぱり気になるのがチンパンジーとゴリラどちらが賢いのかということです。

結論から言えば、一長一短のような気がします。

まずチンパンジーが優れているのは、道具を使うという点です。

ゲームボーイをするチンパンジーや、最近ではスマホを扱うチンパンジーも話題になりましたね。

では一方われらがゴリラはというと、道具を使う能力はまだ未知数です。

自然下で川を渡るために杖を使うゴリラを発見したこともあり、使う能力がないわけではありませんが、手の構造的にチンパンジーよりも扱える道具が少ないことや、飼育下のゴリラとのコミュニケーションがチンパンジーほど密でないので研究が進んでいないんでしょう。

一方で、ゴリラがチンパンジーよりも優れた知能を持つという研究結果もあります。

ある発達心理学者がゴリラに手話を教える実験をし、手話を覚えたゴリラは自分の考えや意思を伝えるようになりました。

チンパンジーでも同様の実験をしたところ、手話自体は覚えたのですが、その返答は条件反射のようなもので意思を伝えているわけではないことがわかったのです。

会話できるゴリラの例は少なく、その実験結果に懐疑的な意見もありますが、例え一部であったとしても自分の考えを相手に伝えることが出来たなら、それは高い知能を持つ証明になりますね。

どちらが知能が高いかはいまいちわかりませんが、賢いという意味では、なるべく同種同士の争いを避け、怪我せず平和に暮らすことを選んだゴリラのほうが賢いようにも思えます。

 

手話が出来るゴリラ「ココ」

上の例で紹介したゴリラは、ニシローランドゴリラのココです。

フランシーヌ・パターソン博士の下で飼育され、手話を取得し会話できるようになったことで一躍有名になりました。

人間の言葉を理解する動物は意外に多く、身近な生き物であれば犬もそうですね。

ココが特殊だったのは言葉を理解し「会話」できたことです。

犬の場合、おすわりといわれたらお尻を地面につけるポーズを指示されていることを理解し、散歩といえば外に連れ出してもらえることを理解します。

しかし、質問に対して自分の意思を表現することは出来ず、散歩といわれたときに喜ぶといった条件反射の意思表示にとどまります。

ココの場合は、質問に対して自分の考えを明確に表現できたといわれています。

絵本を読み聞かせたときに猫に興味を持ち、実際に猫を可愛がっていたというエピソードが有名です。

その猫が死んだことを伝えられると悲しみ、死の概念を理解していたことも報じられましたね。

実際に会話できていたのかには懐疑的な意見があり、心理学者のマーク・サイデンバーグなどはいまでも否定的な意見を持っています。

その理由のひとつが、ココの使う手話が人間が一般的に使う手話と違う部分が多く、多くの人が正確にココの意思表示を理解することが出来なかったことがあります。

残念なことにこれらの謎を残しながら、ココは2018年6月に亡くなりました。

私個人の意見としては、ココが虫歯になったときに痛みの度合いを数字で意思表示した例からして、どこまでのレベルかはわからないまでも意思をもって相手に伝えようとしていたことは間違いないのではと考えていますが、いまとなってはわかりません。

いずれにせよ、ココへの関心がゴリラの関心につながり、野生のゴリラの保護に大きく貢献したことは間違いないでしょう。

 

ゴリラに会える動物園

わが町札幌にも、約15年前までゴリラがいました。

かなりたくましいオスのゴリラで、まだ幼かった私もよく見惚れて何十分も居座り、カップルがフンを投げつけられている様をよく目撃しました。

残念なことに円山動物園のゴンは他園に貸し出されたあと亡くなりましたが、日本各地にはまだまだゴリラを観察できる施設があります。

 

東京:上野動物園

上野動物園に展示されているのはニシゴリラで、ガラス越しにかなり近くから観察することが出来ます。

私もお気に入りの動物園ですが、パンダに次いで人気者で、人が溜まりやすいのであまりゆっくり観察できないのが玉に瑕。

平日の午前中などを狙っていくのがおすすめです。

 

千葉:千葉市動物公園

関東のもうひとつのゴリラに会える動物園は千葉市動物園です。

こちらもニシゴリラで、なかなか高齢個体だそうな。

こちらはお邪魔したことがないので、早めに行きたいところです。

 

静岡:浜松市動物園

3箇所目は静岡の浜松市動物園です。

ツイッターがないので画像がないのですが、浜松市動物園のニシゴリラ、ショウくんは両目のまぶたに腫瘍があり、まるで面白めがねをかけているような風貌です。

こちらもなかなか高齢なので、できれば早くお邪魔して元気な姿で会いたいところです。

 

愛知県:東山動植物園

四箇所目は愛知県の東山動物園です。

東山動物園は立派な群れがあり、中でもオスのシャバーニはイケメンで有名ですね。

活発なゴリラを観察したいなら間違いなく東山動植物園がおすすめです。

 

愛知県:日本モンキーセンター

5箇所目も愛知県の日本モンキーセンターです。

意外にも世界的にも大規模なサルを専門に扱う動物園だそうで、ニシゴリラも1頭展示されています。なかなかのイケメンですね。

ちなみに財政難らしくいろいろほしいそうなので、軽トラでも寄付しようかと画策しているところです。

 

京都:京都市動物園

最西端は京都の京都市動物園です。

京都市動物園はニシゴリラのモモタロウだったかな?たしか上野動物園で繁殖した個体で、めでたく京都市動物園でお父さんになりました。

 

※それぞれ2019年9月現在の情報です

 

八木山動物園のゴリラが今年死んでしまったことで今日本にゴリラのいる動物園は6箇所でしょうか。

各園のゴリラの皆さん、飼育員の皆さんの努力で順調に繁殖させているとはいえ、母数が少ないのでなかなか増えない実情があります。

かなり高齢化も進み、単独飼育している動物園もあるので今後も数を減らしていくことが予想されます。

ゴリラ好きの皆さんは格安で入園できる日本の動物園にバンバン足を運んで、いまのうちにゴリラの姿を目に焼き付けておいたほうがいいかもしれませんね。

 

動物小ネタカテゴリの最新記事