ラグビーワールドカップ2019がとんでもなく盛り上がっているようで、ブームに弱い私はもうどっぷりにわかラグビーファンです。
台風19号被害を受けた岩手県釜石では、台風によって代表戦が中止になったカナダ代表とナミビア代表が土砂災害を受けた地域に出向き、ボランティア活動に協力したという話には、思わず目頭が熱くなりました。
台風19号の影響で、本日の試合が中止になったカナダ代表 @RugbyCanada🇨🇦
そのまま釜石の町に残り、ボランティア活動を行いました🍁✨#RWC2019 #RWC釜石 #NAMvCAN pic.twitter.com/bwTpHAJPsV
— ラグビーワールドカップ (@rugbyworldcupjp) October 13, 2019
わざわざ東の果ての島国に出向いて、4年間準備した大会の最後を飾る試合が中止になり、地元の人間ですら体験したことのない大災害に巻き込まれ、その翌日に現地人のためにボランティアするなんていうことを誰ができるでしょうか。
試合の面白さと、ラグビー選手の人間としての素晴らしさを目の当たりにしたら、嫌いになれるわけがありません。
この筆を取る直前に今大会の記念Tシャツをちゃっかり買ってしまった筆者です。
話を戻しまして、日本代表の快進撃も凄いですね。
ラグビーの代表クラスの選手が集まりリーグ戦を繰り広げるスーパーラグビーでは「お荷物」とまで称される日本が、大会開催当事世界ランク2位だったアイルランドを含むプールAを全勝のトップ通過。
突然の大躍進ですが、素人目に見てもこれが奇跡だとか、偶然だとかそういう類の勝利だとは思えません。
先日の日本代表 v スコットランド代表の視聴率が発表されました 🇯🇵🏴
⚡平均 39.2%
⚡瞬間最高 53.7%この数値は今年放送された全番組の中でトップ🥇たくさんのご視聴ありがとうございます👍
今週末からはいよいよ決勝トーナメントがスタート❗#RWC2019 #JPNvSCO #RWC横浜 pic.twitter.com/47XyhZS6RU— ラグビーワールドカップ (@rugbyworldcupjp) October 15, 2019
ただし決勝リーグはボスラッシュです。
初戦では、前回大会勝利したとはいえテストマッチで大差を付けられた南アフリカ。
今回の大躍進で世界ランクこそ勝っているものの、ニュージーランドオールブラックスを破った実績のあるフランス。
プールDで日本同様全勝通過し世界ランク2位に輝き、ワールドカップ全勝優勝を飾った経験もあるウェールズ。
二つの国の威信をかけて、史上最強とも言われる面子をそろえて挑むアイルランド。
世界最強を掲げ、人気も高いニュージーランドオールブラックス。
前評判ではオールブラックスを下すのかとまで言われるほどの実力を持ち、体格と技術に長けるオーストラリア。
王室が認めるほどのひたむきで堅実なプレーで勝ち進むイングランド。
これ以上に厳しい戦いがあるのかと言うほどの死闘が待っているでしょう。
もちろん日本には優勝目指して勝利してほしいですが、他の参加国も心から応援しているという言葉を最後に話を動物に戻しましょう。
日本代表はミツバチだ!
そんなラグビーですが、他のスポーツにないほどのチームスポーツです。
その動きは洗練されていて、戦略以上のなにかを感じるほど統率が取れています。
今大会は日本代表戦以外も半分以上の試合を視聴しているのですが、とくに日本代表の組織力は素人目にも群を抜いているように見えます。
その動きはどこかで見たようで、とても馴染みのある動きに思えてなりませんでした。
ふと思いあたったのが、皆さんも一度は目にしたことがあるでしょうミツバチです。
ミツバチといえば、「刺してきて嫌な存在」だとか、「はちみつを集めてくれる益虫」といったイメージにとどまる方が多いかもしれません。
しかしミツバチはそんなイメージよりも優れた生き物で、ある意味常にジャイアントキリングをやってのけているといっても過言ではない生き物なのです。
ミツバチとは?
ミツバチはミツバチ属に属するハチの総称で、世界には9種類存在が確認されています。
日本では固有種のニホンミツバチと、セイヨウミツバチが養蜂や農業に活用されていますね。
特徴はなんといっても花の蜜を集めて巣に溜め込む習性で、人間もハチミツとしてその恩恵を受けていますね。
外敵を尾の先についた針で刺して攻撃する習性があり、毒性は低いものの刺されると腫れ、複数個所指されると死に至った例もあるので注意が必要です。
ちなみに巣のすべてが女王蜂の子供で、巨大な核家族です。
ラグビー日本代表との共通点
では実際にどこに共通点を感じたのか比較して紹介していきます。
ちょっとこじつけもあるのであしからず。
規律を守る働き者
ミツバチはとても働き者です。
羽化してすぐに、巣の掃除を始めます。
その後は幼虫の面倒を見て、届けられた花粉や蜜を集めて巣板を作ります。
寿命が近くなると外へ花粉や蜜を集めに行くようになります。
これはもちろん教育されるわけではなく、阿吽の呼吸で自然と段階的に行います。
巣の構造的に、幼虫は中心部で生まれて成長しながら外に出て進んでいくので、その段階で自然とできる仕事をしているのも理由ですが、もしこの順番を間違うとどうなるでしょうか。
もし若く余命の長い働き蜂が外に出ると、外敵に襲われたり天候不順によって死んでしまうリスクがあがりますよね。
巣の中には余命の短い働き蜂が残るので、労働力不足になるリスクがあります。
この統率力も、巣を守る重要な意味があるというわけです。
ラグビーも、誰かが勝手なプレーをすればたちまち作戦は崩壊してしまいますよね。
完全にこじつけっぽいですが、完全にこじつけです。
One for all, All for oneでジャイアントキリング
これがなにより私が日本代表とミツバチの共通点を感じたポイントです。
ニホンミツバチは小型のハチで、攻撃力はそう強くありません。
日本には世界最強クラスのハチであるオオスズメバチも生息していて、ニホンミツバチと生息域がかぶっています。
スズメバチは人間を殺めるほど強力な毒はもちろん、強力なアゴも武器です。
そのアゴで捕獲したほかの昆虫を噛み砕いて肉団子にし、幼虫のエサにします。
ニホンミツバチも捕食対象になり、巣には幼虫を狙うスズメバチもよく襲撃しに来ます。
非力なニホンミツバチはただ黙って食べられるかというとそうではなく、まさにOne for all, All for oneで巨大な敵を打ち倒すのです。
ニホンミツバチはいわずもがな日本の気候に適応しています。
しかし寒さに強いわけではなく、例え本州であっても冬の気温には耐えられません。
そこでニホンミツバチは、身を寄せ合って羽を動かすための筋肉を振動させて熱を発し、巣を30度程度に暖めて冬をやり過ごすのです。
スズメバチに襲撃されたときにも、この熱を発するという特技を生かして立ち向かいます。
スズメバチは一匹一匹が強いため、単独で行動します。
ニホンミツバチの巣にも単独で突っ込みます。こっちもすごい勇気ですよね。
そこでニホンミツバチはスズメバチを取り囲んで蜂球を形成、得意の発熱で蒸し焼きにするのです。
その温度は5分ほどで47度にも達し、暑さに弱いスズメバチは熱と炭酸ガスによって死んでしまうのです。
ニホンミツバチの必殺技
熱殺蜂球!刺すのではなく、蒸します。#OneTeam #捕食者の最終兵器 #子育ての本能 #ナショジオTV pic.twitter.com/p9moiGZrLH
— ナショナルジオグラフィック(TV) (@natgeotv_jp) October 15, 2019
この行動はまるでスクラムを組む姿も髣髴させ、大きい相手に果敢に挑む姿は日本代表を彷彿とさせます。
日本代表のお家芸とも言えるダブルタックルも、スズメバチを発見しいち早く飛び掛るミツバチを思い起こさせますね。
ちなみに上の動画を探すためにいろいろ検索していたら、けっこう同じように思っていた人が多かったようです。
日本がもし2021年以降またスーパーラグビーに参戦することがあればハニービーズにしましょう。(ウルブズだと日本にオオカミ居ないですし。)
ラグビー見てるとスズメバチに応戦するミツバチ思い出しちゃう
— ラリ助 (@zurazura643) October 13, 2019
ルールよく分からないけど最後のやつミツバチがスズメバチ倒す時のやつみたいだった
— ちゅ (@chumchumchu_chu) October 13, 2019
ラグビーの試合を見てると「ミツバチさん頑張れ!」と家族がチョイチョイ言うので聞いてみたら、「ニホンミツバチ対スズメバチの戦いのように見える」のだそう。
・・・(´-ω-`)ナルホドナ— おやつばんちょう (@oya2bancyou) October 13, 2019
ラグビー日本代表との違い
紹介したように、私以外にもミツバチとラグビー日本代表に共通点を感じた方がたくさんいて、もうこれは大会後のラグビー特番で取り上げられること間違いなしかと思います。
しかし動物マニアとしては無視できない違いもあるので、せっかくなので紹介しておきましょう。
1割働かない奴がいる
ラグビー日本代表は、目立つ目立たないはあるにせよ、グラウンドに立つ15人全員が力を合わせてここまで強豪国と渡り合ってきました。
一方でミツバチはというと、紹介したとおりとても働き者な生き物ですが、巣の1割、なんと500~1000匹ほども働かない奴がいるのです。
ラグビーで1人か2人グラウンドでふらふらしてるヤツいたら大変ですよね。
ミツバチの巣の中で一切何の役割も持っていないのが、じつはオスのハチです。
巣の中を徘徊していたり、たまに運動がてら散歩に出かけたりします。
これ何か目的を持っているわけではなく、本当にただ働き蜂(メス)の運んできた餌食べてふらふらしているだけです。
オスの役割は女王蜂との交尾だけで、それまでは本当に何もしませんし、できるような体のつくりになっていません。
秋になると花が枯れてしまい、ミツバチの食料は春から夏にかけて集めた蓄えに頼るようになり、繁殖も必要なくなります。
そうなるとオスはただ飯食らいに成り下がるので、巣を追い出され、自分で生活する能力のないオス蜂は死を迎えるだけという運命です。
しかも交尾に成功したとしても、オス蜂の交尾は一度きりなので死んでしまい、若い働き蜂に掃除されます。
人間になりたかったわけではないですし人間もあまり好きではないんですが、オスの立場から言えば少なくともミツバチに生まれなくて本当によかったと思います。カマキリも嫌ですけどね。
ミツバチ社会はホワイト企業
ラグビー日本代表は、早朝から世界一とも言われる過酷な練習をこなし、競合国に立ち向かえる強靭なフィジカルを手に入れました。
インタビューでもしきりに犠牲にしてきたもののことを口にしますが、きっとプライベートのことなんでしょう。
一方ミツバチはというと、その逆にいると言えます。
ミツバチは24時間体制で活動し巣を守り、蜜を集める係りは1日10回以上も巣と外を出入りし、何百という花を飛び回って食料を集めます。
そう考えると過酷そうに思えますが、その実はパートタイム制で、しっかり休む時間もあるのです。
一説によると1匹あたりの労働時間は6時間程度で、かなりホワイトですよね。娯楽がないのにそんなに休んでなにしているんでしょう。
ちなみにスズメバチは1日100km以上も飛び回るので、なかなかブラック営業職です。
がんばれミツバチ!がんばれラグビー日本代表!
なんだか好き勝手なことを書いただけのように見えますが、そこはラグビーかぶれした動物オタクということで、大目に見てください。
身近な生き物でもあるミツバチですが、じつはちょっとした危機に瀕しています。
原因はまだはっきりしないものの、世界的にミツバチの数が減っているのです。
ミツバチは植物の花を動き回り、受粉させるという生態系の重要な役割を担っていて、万が一絶滅するようなことがあれば、世界中の生態系が崩れ大量絶滅の引き金になるとまで言われています。
こんな小さな生き物の生き死にに、もしかしたら私たちの命がかかっているかもしれないのです。
ラグビー日本代表を応援するのと同じぐらい、ミツバチの今後も応援していきたいですね。